自分の声が届かない…。未経験の不安から抜け出し、初めてたどり着いた手応え

今回は株式会社サンロフトでマーケティング事業に携わる鈴木ゆかりさんにインタビューさせていただきました!なんども未経験の業務に挑戦してこられた鈴木さんのエピソードをぜひご覧ください!
ー編集者:わか

幅広い部署での経験を経て、マーケティング事業へ

まずは鈴木さんのお仕事について教えて下さい。

株式会社サンロフトでデジタルマーケティングの仕事をしています。

具体的には、ウェブ広告の運用や自社メディアの更新等を行っています。また、2020年4月に開始した『今日は木曜日』というタイトルの自社メルマガを運用しています。


もともとマーケティングのご経験があったんですか?

いえ。完全なる未経験で、配属されてからマーケティングのことを学び始めました。

新卒入社して、最初は業務システムを扱う部署で営業アシスタントを担当していましたね。その後、幼稚園や保育園など園向けのICT支援を行う部署や協力会社でシステムサポートを行う部署を経て、一時期は総務経理を担当していた時期もありました。

今のマーケティング事業に携わることになったのは昨年2020年4月からですね。

配属されるたびに未経験からのスタートだった


かなり幅広い部署を経ているんですね!会社は異動が多いのでしょうか?

いえ、私が極端に多いだけだと思います。

IT企業で入社しておきながら言うことではないんですが、私はもともとITに詳しかったり専門的な技術があったりしたわけではないんです。なので、とにかくできることをやるぞというスタンスで仕事していて、いずれも未経験ではありましたが、気づけばこんなにたくさんの部署を転々としていましたね(笑)

度重なる異動の中で身につけた、未経験なりの力

なんと。毎回ゼロからスタートするというのは大変そうですね。

はい、毎回なかなか大変でしたね。

配属された直後は、なんとか業務知識を身に着けて仕事を成立させる。というような働き方でした。最初は何もわからず全部暗号のように聞こえていましたね(笑)

「今なら笑って話せます、今なら(笑)」


でも振り返ってみれば学べることも多かったですし、業務内容が変わっても異動前での経験が活きることは多かったと思っています。


具体的にどんなことが役に立ちましたか?

例えば「前提が異なる相手に、どう噛み砕いて伝えるかを考える力」ですね。

園の先生やシステムのサポートに問い合わせをくださる方など、日常でITに触れる機会の少ない方に、いかにわかりやすく説明するか。そういった思考が求められる環境が多かったのですが、そこで身につけた力は、配属や業務内容が変わっても仕事に活かされていると思います。

あとは、毎回わからないことばかりなので『どの問題は誰に聞けば良いのか』を把握する思考や行動はかなり鍛えられたかもしれませんね。


なるほど。未経験ながら何か心がけていたことはありますか?

新しい部署で気がついた点は、できるだけ率直な意見として言うようにしていました。

外から来る人の意見はどこかユーザに近いものがあるじゃないですか。未経験の自分でも、新鮮な視点で部署内の業務を改善することはできると考えていました。
そうやって、とにかくできることをやろうという姿勢で働いていましたね。

ある配属先で直面した圧倒的な無力感

素晴らしいですね。その姿勢ならどの部署でもご活躍されそうです。

いえ、全くそんな事ありません(笑)
上手くやれていたと言いきれる自信はないですね。とにかくいつも、これでいいのかな…とどこか不安な気持ちを抱えながらやっていたので。

特に一つ前の部署では、本当に仕事がうまくいかない時期が続いてしまって、自分の実力不足に打ちひしがれて会社を辞めようかと本気で考えたこともありました。


そうだったんですね。どんな状況だったんでしょうか?

自分の提案や意見をなかなか伝えられない時期が続いたんです。

現状の問題に対して、自分なりに「こう変えたい」という意志はあっても、それを部署内でうまく提案することができず、議題として受け止めてもらえない状況が長く続いたんです。

自分の声が届かない状況が続く中で「どうせ伝わらないなら言っても意味ない」と徐々に腐っていく自分がいたんですよね。


なるほど、かなり歯がゆい状況が続いたんですね。

そうですね。

あと、そうやって自分なりにもがいていることって部署外の方にはなかなか伝わりづらいじゃないですか。

そのことにももどかしさを感じてしまい、「こんなにやってるのに伝わらない…」「そのことを評価もしてもらえない…」と、とにかく無力さを感じる日々でした。

自分の声が届かず、八方塞がりに。


わかってもらえない辛さというのはありますよね…

もちろん自分にも大いに原因があるわけですが、その時はマイナスな感情が先行してしまっていましたね。

ただ、そんな中でも支えになってくれていたのが現マーケティング事業の上司だったんです。

無力さに打ちひしがれている中でも、現状の課題に対してどのように考えたらいいのか、どのようにアプローチすればよいか、彼はいつも建設的なアドバイスを授けてくれていたんです。

業務的なアドバイスももちろんですが、そうやって相談に乗ってくれるだけでも精神的な支えになっていました。幸いなことにその後の異動で、マーケティング事業に携わることになり、彼のもとで仕事をすることになったんです。

はじめて生まれた内発的動機

一度は辞めることも考えて、モチベーションは取り戻せたのでしょうか?

そうですね。

一度は落ちてしまったモチベーションでしたが、新しい部署ってある意味全部リセットみたいなもの。心機一転、頑張ろうと割り切ることにしました。

あとはやっぱり、悩んでいた時期に支えになってくれた人の力になりたいという気持ちが強かったんですよね。私が配属されるまで、マーケティング事業は彼が一人で動かしていて、人手が足りていないことはもともと聞いていたので。

辛い時期を支えてくれた上司の力になりたかった

また、そうやってモチベーションを取り戻して業務に励む中で、自分にも新しい変化があったんです。


どんな変化ですか?

なんというか、学びたい意欲が生まれてきたんです。

もちろん異動があるたびに何度も学んできてはいますが、これまでなんとか身に付けなきゃという焦りや義務感のほうが強かったんです。

ただ、今の環境でWeb記事の執筆業務に携わるようになってから、客観的にみた物事を表現する言葉の奥深さや、書くことの面白さに気がついたんですよね。
これまで感覚的にやってきたことを、初めてもっと学びたいと思うようになりました。

正直、もともと自分は仕事自体にモチベーションが高いタイプではなかったんです。仕事は生活していくためにするものだと捉えていたし、オフのために頑張るぞ!くらいの(笑)

だからそういう気持ちになれたのは自分でもびっくりしましたね。


いわゆる内発的動機が生まれたわけですね。どうしてそう思えたんでしょうか?

上司が認めてくれたことが大きかったと思います。
私の成果物に対して、まずは肯定してくれるんですよ。「めっちゃいいじゃん!」って。

たったそれだけのことで?と思うかもしれませんが、未経験な業務にふれる機会が多く、強い自信を積み重ねてこれなかった自分にとっては、「あ、これでいいんだ」って思えることは、何よりも大きな出来事だったんです。

それから、自分にできることや得意なことがなんとなく自覚できるようになって「これをもっと伸ばしたい!」と思えるようになっていたんだと思います。

もしかしたら上司にまんまと乗せられているのかも(笑)

「ノセ上手な上司なんですよ(笑)」

成果が生まれ始めたメルマガ『今日は木曜日』

大変だとしても、やりがいを感じられそうですね。

そうですね。
とはいえ、不安な気持ちがゼロとも言えなかったんですが(笑)

現在メインで担当している『今日は木曜日』というタイトルのメルマガを始めた時も、とにかく不安でした。自分が書くメルマガなんて読む人いるのかな、本当に需要があるのかなと。

上司と話し合って決めたメルマガのコンセプトは、短期的な売上に直結するものではなかったんです。それもあって社内理解を得るのにもなかなか苦労したんですよね。

初めて送った『今日は木曜日』の一通目

そんな状況で成果を出せるか不安な気持ちだったんですが、メルマガを始めて一ヶ月ぐらいたった頃、読んでくださってる方から返信が届いたんです。

コロナ禍で苦労されている中でタイミングよくメルマガの内容がお役に立てたようで。その一通の返信が、本当に嬉しかったんですよね。

「本当に嬉しくて、そのメールは今でも大切に保存しています」


企業のメルマガに返信をいただけるなんて珍しいことですね。

そうなんです。

プレッシャーもあったし試行錯誤しながらの運用に苦しんでもいましたが、その返信を頂いた瞬間にこれまでのことが報われたような気持ちでした。自分はこの為にやっていたんだなと。

まだまだ大変だけど、読んでくれている人たちのために頑張ろうと心から思えたんですよね。

それから運用を続けていく中で、お客様に「メルマガの中の人」として覚えていただくことが増えていったり、私達がメルマガを作る上で参考にさせていただいていた企業に『今日は木曜日』のことを知っていただけたりと、少しずつではありますが、いろいろな側面で成果を感じる機会が増えてきました。

10年以上働いてきた中で、今が一番仕事を楽しんでいます!

期待値を上げすぎず、コツコツと続ける

今の状況にたどり着くことができた秘訣は何だと思いますか?

辛かった時期も含めて、なんとか粘り強く続けてきたことですかね。

私は「時間は最強」と思ってるんです。
どんなに苦しいことも永遠に続くことは絶対にないと思っていて、そうやって考えていれば、大変な時期もちょっと気が楽になるというか。


なるほど。とはいっても折れずに続けるのが難しい方もいると思います。何かアドバイスなどはありますか?

逆のことを言うようですが、辛いことがあったら投げ出してもいいし、開き直ってしまえばいいと思います。

自分は未経験な環境が多くて不安な気持ちでいることが長かったんですが、考えてみれば未経験なんだからできなくて当たり前じゃないですか。仕方ないじゃん!って(笑)

そうやって背負いすぎずに少し楽に構えている方が、案外長く続くってこともあると思うんですよね。

その瞬間が暗黒時代のように感じていても、手応えがない時期だとしても、気を張りすぎずにコツコツと続けていれば、きっと誰かが見てくれていることもあるかなと。

いつか何かに繋がると思って、何事も等身大でやってみるのが良いと思いますね!


これまで乗り越えてきた鈴木さんならではの説得力ですね!本日は素敵なお話をありがとうございました!

メールマガジン「今日は木曜日」
https://www.sunloft.co.jp/dx/thursdaymail/


鈴木さんが試行錯誤して育ててこられたメールマガジン『今日は木曜日』。

いわゆるフツーな企業メルマガとはひと味違って、鈴木さんのお人柄が溢れたステキな内容です。ナナコロ編集メンバーも密かに愛読しているこちらのメルマガ、ぜひ次の木曜日までに登録してみてはいかがでしょうか?