起死回生の一手がまさかの大ゴケ!試行錯誤でたどり着いたコミュニティのあり方

今回は「静岡マーケティングサロン」を運営する山崎啓輔さんにコミュニティ設立にまつわる失敗談を取材してきました!暗黒時代から試行錯誤を繰り返してコミュニティを育てる挑戦劇、ぜひご覧ください!ー編集者:わか

自分らしさを失くした暗黒時代からの奮起

現在のお仕事について教えて下さい。

静岡新聞SBSグループ 株式会社トムスのタレント社員として、マーケティングを中心にイベント登壇やSNS発信などに携わる仕事をしながら、現在は「静岡マーケティングサロン」というコミュニティの運営に力を入れています。


静岡マーケティングサロンはどんなコミュニティですか?

『マーケティングで地元静岡を盛り上げたい!』というビジョンのもと、実用的なマーケティングを気軽に学べるコンテンツを生み出しています。

具体的には、マーケティング専門家メンバーが勉強会を開いたり、逆にマーケティングに困っているメンバーが専門家からアドバイスをもらう相談会を開いたり、双方向なコミュニティとしてコンテンツを生み出しながら活動しています。

静岡マーケティングサロン活動の様子

活発に活動されているんですね!設立されたのはいつ頃ですか?

月額制である現サロンの立ち上げは2020年10月ですが、活動自体は2018年1月頃から行っていました。前身である「静岡マーケティング交流会」は無料開催していましたが、紆余曲折を経て、現在の有料コミュニティという形にたどり着いています。


もともと無料からはじまったんですね。どんなきっかけで立ち上げたんですか?

一番は、仕事が全然うまくいかなかった暗黒時代に限界を感じて仕事をやめようとしたことです(笑)

暗黒時代…いきなり重たい話がきたぞ…

なんと(笑)ポジティブな山崎さんにも暗黒時代があったんですか?

めちゃめちゃありましたね。

仕事として成果を出せていた面もあったんですが、とにかく細かなミスが絶えず、クライアントからの評価は悪くないのに社内ではなかなか評価されないというギャップに悩まされ続けていたんです。

どうしたらいいかわからない..というモヤモヤからメンタルも限界で、まさに転職直前というところでしたね。


それは辛いですね..転職のことは社内で相談したんですか?

はい。当時はもうほとんど辞めることを決めていたので。そのことを上司に伝えたところ、ある提案をもらったんです。

「最後に自分が得意だと思えることをやってみよう。それでも辛かったら転職にするのはどうか?」と。


なるほど。山崎さんらしさが失われていたからこその提案だったのかもしれませんね。

そうかもしれません。当時はとにかく自分のキャラを一切出せなくなっていたので。
それから自分の得意や苦手、やりたいことなどを棚卸ししました。自分はどんな時に楽しくイキイキしていたかなと。

そうして見えてきたのが、コミュニティ活動だったんです。

人とコミュニケーションをとることや、そういった人の集まりを盛り上げることが自分の得意分野だなと。そこから生まれたのが静岡マーケティング交流会でした。

しかし与えられたチャンスは大失敗に

そこからコミュニティ活動としての躍進がはじまるんですね?

はい!と言いたいところなんですが…。
実は、2018年1月に開催した第一回イベントで大ゴケしてしまったんです。

マーケティングをテーマにした交流会を企画したんですが、1ヶ月半ほど宣伝期間を設けたのにも関わらず、イベント参加者がゼロ。本当に1人も来なかったんですよ(笑)

大躍進の始まりかと思っていたものの・・

なんと…起死回生の挑戦で0人というのはなかなか辛いですね..

めちゃめちゃ辛かったです..!
しかも真冬だったのに何故か会場カフェの暖房が効いていなくて..。寒い中で1時間以上もキョロキョロしながら参加者を待ち続けましたが結局誰も来なかったんです。

身も心も完全に冷え切って、最後は具合悪くなって帰りましたよ(笑)

それでも当時の自分のような人を助けたい

心が折れそうですね..。辞めてしまいたくならなかったんですか?

いえ、それはならなかったんですよね。
最後のチャンスだからそう簡単に投げ出せないのもありますが、それ以上に辞めたくない理由があって。


辞めたくない理由ですか?

はい。とりあえず継続しようとなんとか回を重ねるごとに少しずつ人数が増えていったんですが、参加者の多くが、くすぶっている自分と同じような悩みを持っていたんです。

やらなきゃいけない状況だけど、どうやったらいいかわからないし誰に聞いたら良いかもわからない。そんな状況では『マーケティング』って敷居が高いんですよね。難しい感じがするし、ビジネス感が強くて無機質なイメージがあるし。

だからこそ、マーケティングはもっと身近で温かみがあるものだと思える環境を作りたいという気持ちが強まりましたし、それが辞めたくない理由でした。

その気持ちは今でもずっと一貫して抱いています。

「マーケティングは身近で温かみがあるものだと伝えたい」

自分が欲しかったコミュニティでもあるわけですね。

はい。最初に無料でスタートしたのも、とにかく敷居を下げたいと思ったからです。気軽に参加して相談できる場をつくり、間口を広げるような存在になりたかったんですよね。

その敷居の低さが新たな壁に..

そうして人数も増え、順調にコミュニティが広がっていたんですね?

はい!と胸をはって言いたいところですが、実はその後に更なる壁がありました。
思い返したら壁だらけです(笑)

具体的には、いつのまにか内輪ノリを作り上げてしまったことですね。これがコミュニティとしての致命的な失敗だったんです。


内輪ノリですか。敷居が低いこととは違うんでしょうか?

そうですね。当時は無料にしていたこともあってか、悪い意味で居心地が良すぎるコミュニティになってしまっていたんです。

セオリーに則って「顧客の声を大切にする」つもりで、毎回参加者の感想や要望を取り入れていたんですが、途中から収集つかなくなってしまったんですよね。

思えば当然のことですが、参加者の意見がそのままコミュニティ改善に直結しているかというと、そうではないんですよね。にもかかわらず、どの意見も取り入れなければと考えすぎてしまっていたかもしれません。


今いる参加者に向きすぎた運営になっていたわけですね。

まさにその通りです。
ある回で初参加しようと会場近くまで来てくれた方がいたんですが、当日の内輪ノリっぽい様子を遠目に見て、入りづらさを感じたまま参加できずに帰ってしまったことがありました。

いつの間にか間口を広げるという役割を失い、本来作りたかったものではなくなっていたことに気付かされました。これには本当に反省しましたね。

人数が増えてコミュニティ運営の真の課題にたどり着いた

なるほど。よいコミュニティにしようとした結果バランスが崩れてしまったと。

そうですね。
なかなか良い形を見出すことができずに、実は活動終了まで考えました。ただやっぱり、自分のように困っている人の役に立ちたい気持ちは消えなかったので、抜本的に改善できる方法を模索しました。

そこで考えた一手がコミュニティの有料化だったんです。


現在の有料形式にたどり着くわけですね。どういった意図があったんでしょうか?

うまく運営できなかった大きな原因の一つは、参加者の目的やモチベーションがあまりにバラけすぎていることだと考えました。

敷居を下げるために無料にしたわけでしたが、それによって広がりすぎてしまったのかなと。そんな中でひたすら参加者の意見を拾ってもコミュニティとしての方針は示せないし、初期から来てくれている方の意見に寄せていくだけではさらに内輪ノリが強まるだけ。

だからこそ有料かつ、みんながでつくるオンラインサロンという形態をとることでコミュニティにまとまりをもたすことができると考えました。

敷居は少し高くなってしまいますが、まずは中身を良くすることから始めていこうと。


有料かつみんなでつくるともなれば、参加者に当事者意識も芽生えそうですね。

そうですね。結果として、当時と比べたら今や全く違うコミュニティに生まれ変わったと思います。

実際に、運営のような立ち位置で情報発信やイベントを開催してくれるメンバーも増えてきましたし、何よりもコミュニティが良くなることを前提に動いてくれる方が増えたんです。

それでも、まだまだ改善の余地だらけなんですけどね(笑)

サロンメンバーによる勉強会の様子

計画通りにはいかない。だから打席に立つ数を増やす

まさに紆余曲折ですね。今は始めた当初にイメージしていた形にはなっていますか?

それでいうと全くなっていませんね(笑)
サロン運営していて、何かが計画通りに上手く進んだことほとんどないんですよ。

とにかくやりながら改善点を探って、常に次の形を模索している感じで。結局は打席に立つ数を増やして実際にやってみないと何もわからないですよね。


打席にたつ数を増やす、何にでもいえそうなことですね。

僕はお笑いが好きで、学生時代に「すべらない話」の研究をしていて気がついたことがあるんです。

千原ジュニアのすべらない話って、多くが「こないだ後輩と旅行に行ったんですけどね〜」から始まるんですよ。これって、すべらない話に出会うために旅行しまくってるんじゃないかなって。つまり、アウトプット前提でインプットの機会を増やしている。打席に立ちまくってるんですよね。

そう捉えるようになってからは、食わず嫌いせずに幅広い人とお話することを心がけました。素敵な方に恵まれることも多いですが、やばい勧誘してくる人とかトラブルに巻き込んでくるややこしい人にもたくさん接してきましたよ(笑)

お笑い研究の話になったら火がついていました(笑)

挑戦の最低保証になってくれる仲間こそ大切

とはいえ打席に立って失敗するのが怖い方もいると思います。なにかコツはありますか?

挑戦の最低保証になってくれる仲間を作ることだと思います。

例えばイベントを開きたいとして、万が一集客にコケても数人参加してくれる仲間がいれば、最低限のイベントとしてそれっぽい形にはなるじゃないですか。これが最低保証のイメージです。

いきなり一緒に活動してくれる仲間でなくても、自分の活動を応援してくれてちょっと乗っかってくれる仲間がいれば、最悪のケースがそこまで悪くなくなる。そう思えることがまずは大事だと思うんです。


仲間を作る。広くいえばコミュニティをつくる活動のようでもありますね。

まさにそうだと思います。これまでを振り返ると、自分が動き出すときには最低保証になってくれた方がたくさんいました。だからこそ、今度は自分が誰かの最低保証になっていきたいと思っています。

実際こういう話を聞いても、仲間の作り方がわからないって方のほうが多いと思います。
静岡マーケティングサロンは、そういう方にも最低保証として使っていただけるように、安心して第一歩を踏み出せるようなコミュニティとしても育てていきたいと考えています。

この話でピンときた方がいれば、ぜひ一緒にマーケティングで静岡を盛り上げましょう!
一緒に活動できる仲間をお待ちしています!


本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

静岡マーケティングサロン: https://community.camp-fire.jp/projects/view/332107

『マーケティングで地元静岡を盛り上げたい!』というビジョンのもとを運営されているコミュニティです。マーケティングを学びたい方からマーケティングのノウハウを発信したい方まで様々なメンバーが日々活動しています。ご興味をもった方はぜひ参加してみてください。

山崎さんのSNSはこちら↓
【Twitter】https://twitter.com/zakizakimarke
【You Tube】https://www.youtube.com/channel/UCxVhRhPZwKJnMBYTxKeE6kg